北海道・旅の記録(2002年)

2002年8月2日(金)〜10日(土)・本年第3回(通算第28回)
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  ■ 第六日目/8月7日(水 清里〜サクラの滝〜女満別空港〜相生〜雌阿寒温泉〜多和平〜開陽台〜養老牛温泉
  天気:曇り一時雨、ところにより晴間あり、夜雨

  新名所「さくらの滝」・・・

   朝風呂に入り、宿1階の食堂で朝食。お客は3組ほどであった。簡素ながらしっかりとした和朝食(イクラ醤油漬が意外にいける)を
  軽くすまして、8時チェックアウト。その際フロントの町職員風お姉さんに「さくらの滝」の場所を質問するも、「わたしまだ行ったことない
  んだよね〜、〇〇さん、知ってる〜?」と言われてしまうが、実直そうな男性職員の方から丁寧に教えていただきひとまず安心。
   「さくらの滝」とは清里町内斜里川に遡上してくる「サクラマス」が川の段差をジャンプして上っていく場所があり、この場所のことを
  今年の夏に正式に「さくらの滝」と町が命名したのである。自分がこの存在を知ったのは去年の夏くらいであったが当時はまだ
  地元YHで紹介される穴場、知る人ぞ知る「撮影ポイント」という感じであった。今年に入って清里町関係のHPでも紹介されるくらいに
  知られはじめた「新名所」である。6月くらいからサクラマスの遡上が始まるとのことであるが事前の情報ではまだ充分見ることは可能
  ということで今回の訪問となった訳である。(大まかな位置は、こちら
  
  清里市街から道道1105号を裏摩周方向に南下してJR釧網本線札弦駅
 過ぎ、R391方向へつながる舗装道と反対方向に左折して斜里川に向かう。
 若干のダート道を走ると右手に広い駐車スペースが現れ、その奥に案内板が
 設置されており、林の中の道を歩くとすぐ川岸に出る。すぐ目の前が「さくらの
 滝」である。滝というほどの段差は無いが遡上するには充分障害になる「滝」
 ではある。周囲は鬱蒼とした林で「羆」が出ても不思議ではない場所のような
 感じである。ところが時間が悪いのか何が気に入らないのか「サクラマス」の
 姿は皆無である。おまけに雨も降り出しており、このままじっと待機する余裕も
 ないので、後ろ髪を引かれつつこの場を後にしたのであった。(滞在約5分)
  次回はじっくりシャッターチャンスを狙いたいものである。遡上する姿はこちら
 をご覧いただきたい。⇒こちらへ や こちらへ

  【 写真左:サクラマスのいない「さくらの滝」の図 】

  ◆ 本日は・・・・・
  
   女満別空港まで故障したカーナビの換装に赴くた
  め本日のルートが右のような有様となった。当初は
  雌阿寒温泉に絶対に行きたいという同行E氏の要望
  を容れ雌阿寒温泉〜津別峠〜屈斜路湖畔〜仁伏温
  泉〜川湯温泉駅(オーチャードグラス)〜時間見合い
  で適当なルートで養老牛へという目論みであったの
  だがいろいろあって右のようなルートとなってしまっ 
  た。阿寒湖から弟子屈への交通量の多い退屈なル
  ートは嫌いなのだが・・・・・・。



【写真上:女満別空港附近にて】





【上図:本日の行程 (:出発地、:宿泊地、:ポイント)
                           
  
  ◆ 女満別空港(N産レンタカー事務所)〜津別町相生(あいおい)

  
  カーナビの換装はあっけなく終了する。女満別の空港ビルで無料牛乳を飲もう
 とかラーメンを食べよう等のE氏の世迷い言を黙殺しR240へ向け出発させる。
  順調に南下して津別町相生まで至ると国道横左手にまだ新しい建物が目に入
 りとりあえづ立ち寄ってみる。「あいおい物産館」なる名称にひかれるが建物裏
 手に駅舎と気動車等を発見してまずそちらに向かう。これは旧北見相生駅跡
 整備した施設で「鉄道記念公園」&「バス乗場」&無料ライダーハウス「駅の宿」
 となっている。バス待合室となった駅舎の中には国鉄時代の資料なども展示さ
 れておりひとしきり見学する。屋外の保存車両も非常に綺麗に整備されており、
 旧型客車の内部はライダーさん用簡易宿泊所に改造されている。広い構内を散
 策しているとE氏の姿が見えない。周囲を捜すと「物産館」内部に座っている姿が
 建物の窓ガラス越しに見える。何事ならんと内部に入っていけばそこは蕎麦屋
 となっており、E氏は既に「十割蕎麦・大盛」と当地の特産らしい「豆腐料理」を
 注文している。してやられた!と思いつつ、とりあえづ蕎麦くらいなら良いだろうと
 お相伴することにした。

  【写真左:津別町相生・旧国鉄相生線終点・北見相生駅駅舎跡】
          
 
   自分は普通盛りの十割蕎麦(650円也)を賞味してみるが、これがなかなか
  である。つなぎ無しの十割蕎麦は打ち方も茹で方も難しいがこちらの蕎麦はい
  ずれも程よい感じで充分満足できた。お蕎麦の写真は⇒こちらへ
   E氏が賞味した豆腐は「厚揚げ」に近いもので形も大きく氏は完食に相当苦
  戦していた。蕎麦打ちの様子などを見つつ車に戻るがどうも気になる建物が駐
  車場入口横にある。歩いていくとそこは石窯パン工房「a=e-p(アエプ)」という
  パン屋さんであった。なかなか趣のある建物に入っていくと非常に美味しそうな
  香りのパンが並んでいるが既に大部分売切のようである。どうも大人気のお店
  らしい。既に腹もくちているので購入は諦めたが今思えば買っておけばよかっ
  たと後悔している。後で調べたところ天然の素材にこだわり石窯で丁寧に焼上
  げたパンとしてかなり知られた存在らしい。次回への課題がまた一つ増えたよ
  うである。お店外観写真は⇒こちらへ

   【写真右:北見相生駅跡で綺麗に保存されている往年の名車・キハ22型気動車

   
   ◆ 雌阿寒温泉へ

    相生でだいぶ長居してしまったため先を急ぐと、南下するR240の左側に怪しげな真っ赤に塗られた」建物が突然現れる。良く見る
   と離農した酪農家のサイロらしきものを改造した建物のようで、趣旨不明のアートを展示している個人美術館のようである。見るから
   に怪しい雰囲気で遠巻きに見るだけにしてその場を立ち去ったのであるが後日調べてみるとこの建物は「シゲチャンランド」なる
   施設で、とある「芸術家」氏個人のアートを展示しているそうである。この手のものでは「道内一怪しい」という評価もあるほどの珍
   名所らしいが次の機会には勇気を振るって探査してみたいものである(写真を撮り忘れたのは遺憾であった)。

   (1) 景福

    釧北峠を越えR241をオンネトー、足寄方面に向かい道道664号モアショロ原野螺湾足寄停車場線に左折、道なりに進みオンネトー
   湖方向に向かう手前地点左側に2軒の宿が見えてくる。手前が「野中温泉旅館別館」と「野中温泉YH」、奥がオンネトー温泉を名乗る
   「景福」である。いずれも知られた名湯の宿であるが今回が初訪問。まづは「景福」に向かい車から降りると硫黄の臭いが漂っており、
   雰囲気も盛りあがってくる。入口の階段を上って玄関を入ると正面がフロント兼売店でその奥の厨房も丸見えの飾り気のない構造でな
   かなか良い。奥でなにやらお話中であった宿のおばさんに入湯料300円也を払い浴室に向かう。 階段を降りていくと想像以上に簡素
   なたたずまいである。まず露天風呂を覗くが巨大アブが脱衣場で猛威を振るっているためとりあえづ内湯入ることとする。脱衣場には
   既に湯上り状態の先客が1名のみで、内湯内には誰もおらづ素晴らしい温泉を堪能する。湯といい雰囲気といい風情といい最高の湯
   であった。湯から上がりいったん脱衣場で着替えて再度露天風呂にいけば巨大アブも退散した模様で安心して大きな湯船に身を委ね
   る。ちょうど掃除をして湯を張ったばかりということで思いのほか透明感のある湯であったが時間が経過で白濁して硫黄泉らしい見た目
   になるとのことであった。湯温、風情ともこれまた申し分なく素晴らしい露天風呂であった。「景福」の詳細は⇒こちらへ

   (3) 野中温泉旅館別館

    次にお隣の「野中温泉旅館別館」へ移動。こちらは旅館らしいたたずまいのフロントで同じく入湯料300円也を払い、建物右手側に
   長く続く廊下を浴場へ向かう。どうもあとからまとまった人数が到着した模様なので急いで浴室へ入る。浴室内はエゾアカマツ造りに
   湯舟に木の湯口から温泉が流れ出ている以外何もないシンプル極まりない構造である。1箇所真水の出ている蛇口はあるがそれ
   以外余計な設備・装飾が全くない。純粋に湯を味わう以外どうしようもない状態である。内湯に外に露天風呂もあるがこれは今一つ
   風情にかける感じでありまた湯も温めであった。露天に入った頃には後続のお客(登山客らしい)が数人バタバタと入ってきたので
   ここをしおに湯から上がる。湯上り後は休憩場の広間でボーっとする。ではそろそろと玄関を出れば、中高年層の登山客を満載した
   ツアーバスが到着。皆さん下山後の入湯のための立ち寄りの様子であり、間一髪の差で混雑から逃れられたようである。
    「野中温泉旅館別館」の詳細は⇒こちらへ

 

   ◆ 雌阿寒温泉〜弟子屈〜多和平〜中標津・開陽台丸〜養老牛温泉

    E氏が早めに今日の宿に入りたい主張し、また自分の2湯連続入湯で大部かったるくなったため最短距離で中標津方向に向かう
   こととし、阿寒湖や阿寒横断道路沿いのポイントを素通りして弟子屈市内まで進む。ここでE氏を撮影すると言い出し(当方に
   は全く理解不能であるが年賀状用の写真を撮りたいらしい)たので、「多和平は周囲が牧場だから羊くらいいるだろう」と適当に返答し
   たところ、それでは寄ってみようということでR243〜道道1040号弟子屈熊牛原野線経由で多和平キャンプ場まで向かった。
 
          
   ◆ 多和平

   和平は2回目の訪問であるが天候に恵まれないせいかライダーさんを中
  心としたキャンパーの数も例年より少ない模様。レストハウス裏に広がる綺麗
  な芝生のキャンプサイトを抜けて展望台まで上り周囲の視界360度の景観を
  楽しむが如何せん天候が曇天ではどうもイメージが違う。摩周湖方面は若干視
  界が開けているので外輪山の模様と「摩周岳」の鋭角的な山容が遠望できた
  のは幸いであった。あの山頂からの摩周湖の眺めもさぞかしと思うが、既に登
  山には適しない体となっているE氏といっしょでは無理だろうなあなどと思って
  いると「羊が居ない」とわめくE氏の声が聞こえる。「ズームで見ればいるだろ
  う」と言ってもブツブツ煩いので、急に思い出した「絶対・羊いるポイント」を指
  摘し一応黙らすことに成功したのであった。(阿保らしい)

   【写真右:標茶町多和平展望台から摩周湖外輪山方向を見る
  
  ◆ 開陽台

  
  ついでに開陽台に寄ってみる。というか中標津に来れば必ず立ち寄るポイント
 ではある。いつもの道をいつものように走って到着した開陽台はいつものように
 そこに存在していた(当たり前だが)。いったい何回目の訪問か思い出せないが
 単一のポイントとしては訪問した回数の一番多い場所なことは確かである。
  最近はやはり一般観光客が多い。今日は雲が多くまた中標津方向はガスって
 いて見通しは悪いが始めて来たとおぼしき面々は皆一様にこの景観・広がりに
 感動の態であった。景色がパッとしないためいつもと違ったアングルで撮影して
 みたのが左記の写真であるのだが・・・・・。
 
  【写真左:開陽台展望台の内部から南方向を見る】

          
  ◆ 中標津
 
   開陽台から道道105号摩周湖中標津線で養老牛温泉まで向かう。沿道にな
  だらかな牧草地が続く素晴らしい景観で車も人のほんんど見ない空間である。
   既に閉店してしまったアイスクリームショップの建物が今年も残っている。隣
  りの牧草地とその先に見える山容を眺めながら美味いソフトクリームが食べる
  ことができる店であったが。
   夕方近くなると肌寒いから完全に「寒い」状態に移行する空気の中、温泉で
  暖まるべく今日の宿に向かった。いまは8月なのに・・・・・・。
   今回こそシマフクロウをこの目でみたいもである。徹夜かな・・・・。

  シマフクロウ観察の模様は⇒こちらでご覧いただきたい。

  【写真右:中標津のとある風景/林の中の白い家】
 
   本日の宿泊先: 中標津町・養老牛温泉・ホテル大一宿詳細頁へ

   本日のお献立 写真はこちらへ

    □ 前菜(行者ニンニク・塩辛・メフン・エビ・ヤマベ姿煮)、牛陶板焼き(牛肉・野菜)、天婦羅(行者ニンニク・ヤマベ・マイタケ)、ヤマベの活造
      ヤマベの塩焼、ヤマベの姿寿司、煮物、生野菜、酢の物、小鉢(卵豆腐)、筍御飯、味噌汁(つみれ汁鍋の味噌仕立)、デザート。
      
 今回宿泊したランクの部屋の場合は部屋食となり、ほぼ一品づつ運んできてくれるので、暖かいものは「暖かく」食べることが
      できることは嬉しい。ここ2〜3年さほど変化のないメニューではあるが毎回美味しく食べることができるのは環境のせいか?
      チェクインの際に2品の料理を選択することができる。今回は「ヤマベの活き造りと塩焼」をチョイスした。

   本日の走行距離: 276.7km(延べ2135km)
                                                                         最終更新2002.12.8
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